東京23区で、今年の6月から7月末にかけて、熱中症の疑いで56人の高齢者が亡くなったことが、東京都観察移務員の調査によって明らかになりました。この中で、エアコンを所有しているにもかかわらず使用していなかったケースが全体の約3分の2を占めており、専門家は高温の時期にはエアコンを積極的に使用することが命を守る手段であると警告しています。
高齢者の中には、エアコンは体に悪いと信じ込んでいる人や、昔はエアコンを使わずに過ごしていたために使用をためらう人が多いとされています。特に、エアコンのリモコン操作に不安を感じる高齢者もおり、操作が難しいと感じる声が多く聞かれています。エアコンを使おうとするが、他のリモコンを操作してしまうこともあるといった実情が報告されています。
さらに、エアコンを使用していても、設定温度が高すぎるために熱中症になるケースも見受けられます。専門家は、エアコンの使用をためらう高齢者に対して、適切な温度設定を行い、冷房機能を積極的に利用するよう呼びかけています。
この問題は、単にエアコンの使用にとどまらず、高齢者の健康を守るために社会全体での理解とサポートが求められることを示しています。猛暑が続く中、エアコンを有効に活用することが、命を守るために不可欠であることを再認識する必要があります。