元記者が実名報道を受けた際の心境と社会復帰の難しさについて語った。中村さんは、かつて他人の不祥事を報じていた記者でありながら、自身が報道される立場になったとき、その重みを痛感したと述べている。彼は30代前半で自宅に捜査員が訪れ、逮捕されるという衝撃的な経験をした。酒に酔った末の行動で、弁解の余地はなかったという。
逮捕後、彼は手錠をかけられたまま飛行機で移送される際、自身の人生の終わりを考えたと語る。記者としてのキャリアが順調に進んでいた矢先の出来事であり、彼はその後、実家に戻ることを余儀なくされた。解雇された翌月から就職活動を始めたものの、過去の事件を理由に全ての企業で書類選考にすら通らなかった。
中村さんは、事件について触れずに応募することで面接に進むことができたが、後からバレるリスクを抱えつつ、過去を正直に語ることの重要性も感じていた。最終的には約40社に応募し、Webマーケティングの会社から内定を得ることができた。
彼は、メディアの役割や社会復帰の難しさについて問題意識を持っており、犯罪抑止の観点からも被害者の実名報道が必要であると主張している。しかし、刑事責任を果たした後もデジタル上に残る情報が、社会復帰を妨げる要因となっていることには疑問を呈している。
中村さんの経験は、犯罪を犯した者が直面する社会的制裁の現実を浮き彫りにしており、彼自身が被害者のように語ることへの批判も寄せられている。彼の言葉は、メディアの報道が持つ影響力と、その結果としての社会的な影響について考えさせられる内容となっている。