日本のアウトレットモールが衰退の一途を辿っている。全国各地に存在する「デッドモール」と呼ばれる廃墟化したショッピング施設が増加しており、消費者の足が遠のいている現状が浮き彫りになった。ショッピングセンター協会の調査によれば、物販店舗が10店舗以上の施設は31か所にも及び、その代表例として大阪府の岸田カンカンベイサイドモールが挙げられる。このモールは1997年の改良時には月間120万人が訪れたが、2000年にオープンしたリン空プレミアムアウトレットに客足を奪われ、現在は秋店舗が目立つ状況だ。
茨城県の大新井シーサイドステーションも同様の運命を辿り、東日本大震災や千葉県の水プレミアムアウトレットの影響で店舗数が半減し、運営会社は破産に追い込まれた。アウトレットモールは高速道路インターチェンジ付近に新たに開発される一方で、既存の施設はデッドモールとして放置されている。元々のアウトレットの魅力は過剰在庫やB級品を安く購入することにあったが、現在ではアウトレット専用商品が並び、ただのショッピングモールと化している。
さらに、アメリカでも同様の現象が見られ、廃墟化したショッピングモールをアパートとして再利用する動きが広がっている。生き残るアウトレットは、立地条件や周辺環境に依存しており、観光としての価値が求められている。今後の日本では、人口減少や経済的な問題を背景に、観光収入を得るための新たな商業施設の展開が必要とされるかもしれない。
現在のアウトレットモールは、正規の値段と大差ない商品が多く、お得感が薄れている。このままでは消費者の興味を引くことが難しく、店舗の入れ替えや新たな魅力を提供しない限り、さらなる衰退が懸念される。