コメ倉庫「備蓄米、ふざけるな」

コメ倉庫業界が危機に直面している。政府が緊急放出を決定した結果、全国の低音倉庫から約34万平米の米が輸出され、冷却機能付きの備蓄用倉庫が空になりつつある。自民党の物流倉庫進興推進議員連盟の総会では、全国低音倉庫共同組合の理事長が、この切実な状況を訴えた。彼によれば、本来は4から5年の備蓄を前提に米が保管されていたが、2024年3月に政治的な判断で急遽放出が決まったという。

この決定により、倉庫業界は通常の物流原則とは異なる後れ先出し作業を強いられ、現場は混乱を極めている。理事長は、冷却機能付き倉庫が空になるにもかかわらず、保管量の保証がないことを強く訴えた。議連はこの問題を重視し、備蓄放出に伴う倉庫への支援を求める緊急決議を採択した。具体的には、月額1万トンあたり750万円の支援措置を国会と政府に要請している。

また、理事長は今後の備蓄制度についても提言を行い、有事対策用と負作対策用でそれぞれ150万トン、計300万トンの備蓄体制構築を求めた。日本倉庫協会と日本冷蔵倉庫協会も人手不足対策として外国人材の活用を促進するよう要望しており、国土交通省は物流業界の特定技能制度の対象に外国人材を加える方向で調整を進めている。

一方で、業界関係者の中には、備蓄が経営の根幹であることに疑問を呈する声もあり、公共事業の比率が高くないといった指摘もある。倉庫業者は、緊急放出によるリスクを懸念しつつ、政府の支援を求めているが、今後の備蓄体制の見直しが求められる状況にある。国民にとっては、安定的な米の供給が重要であり、業界の再構築が急務となっている。

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