固定電話、緊急事態に…

日本の固定電話サービスが大きな転換期を迎えています。NTTに課せられていた全国一律提供義務の廃止が決定し、これにより日本各地での固定電話の利用状況が大きく変わる可能性があります。この制度変更は、特に高齢者に深刻な影響を及ぼすと懸念されています。固定電話は、遠方に住む家族との大切な絆を保つ手段であり、地域社会とのつながりを維持するための重要なライフラインとして機能してきました。

固定電話の利用は1996年にピークを迎え、その後は携帯電話やスマートフォンの普及に伴い、利用者が減少しています。しかし、高齢者にとって固定電話は依然として重要な通信インフラです。制度変更を前に、電話が使えなくなることや料金の変動、地方や離島でのサービス提供の不安が広がっています。

全国一律提供義務の廃止は、すぐに固定電話サービスが消失することを意味するわけではありません。都市部や競合事業者が存在する地域ではNTTの提供義務がなくなりますが、他にサービスを提供できる事業者がいない地域ではNTTが最終保障提供責務としてサービスを維持することが法律で定められています。

一方で、固定電話は詐欺電話の温床となっているとの声もあり、利用者からは「生活に必要なインフラではなくなっている」との厳しい意見が寄せられています。固定電話の加入権の買い戻しが消滅し、義務だけが廃止されたことに対する不満も多く見られます。

このような状況において、固定電話のあり方が大きな転換点を迎えていることは間違いありません。今後の動向に注目が集まります。

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