天皇、皇后両陛下、サンマリノ訪問の写真ご披露 愛子さま、式典ご臨席で初のお言葉
皇室ウイークリー(896)
天皇陛下は2日、皇居・御所で、来日していたサンマリノの国家元首にあたる「執政」のブロンゼッティ、リーギ両氏と会見された。宮内庁によると、陛下は会見で、昭和59年に同国を訪問した際の写真を披露し「サンマリノから歓迎されて大変うれしかった」とお伝えに。観光立国である同国について「コロナの時は大変でしたか」などと気遣われたという。
天皇、皇后両陛下の長女、敬宮(としのみや)愛子さまは3日、東京都新宿区のホテルを訪れ、国際会議「第23回世界災害救急医学会」の開会式に臨席し、国内外の研究者や医療関係者らを前に、式典で初めてお言葉を述べられた。
開会式で、愛子さまは「学術面では研究を通じた知見の蓄積や共有、実践面では災害時における医療体制の強化など、両者の質の向上に大きな役割を果たされてきました」と関係者に敬意を表された。また、激甚化・頻発化する災害について「災害医療や救急医学の重要性はこれまでにも増して高まってきていると思われます」と指摘された。式典後には、高校生による書道パフォーマンスをご覧になった。
愛子さまは8日、2025年大阪・関西万博視察のため、1泊2日の日程で大阪府を訪問された。愛子さまは、会場で出迎えた万博関係者らに「大阪を楽しみにしてまいりました」とごあいさつ。居合わせた来場者の声かけにも手を振り、にこやかに応じられた。
リサイクルがテーマの「日本館」では、自然界の循環に果たす微生物の役割などに関する展示をご視察。「小さな藻類や微生物が大変大きな可能性を有していることが印象的でした。小さなお子さまにもぜひ見ていただきたい」と述べられたという。
エネルギーのさまざまな可能性を探る「電力館」では、核融合発電や水素の活用など新エネルギーを体感する展示をご覧に。担当者によると、愛子さまは「需要が伸びている中で、電気の重要性を学びました」と語られた。
高円宮妃久子さまも6~7日、大阪・関西万博をご訪問。6日は万博のシンボル「大屋根リング」や住友館などを視察された。7日にはヨルダン館などの視察のほか、ヨルダンの「ナショナルデー」の式典に臨席された。久子さまは平成8年に高円宮さまと、令和5年には長女の承子さまと、それぞれ同国を訪問されている。
上皇さまは6日、心筋虚血が疑われる所見があることから、東京大学医学部付属病院(東京都文京区)に検査入院された。上皇后さまも付き添い、7日も病院に足を運ばれた。
宮内庁によると、上皇さまは4月中旬の定期健診で、冠動脈から心臓の筋肉への血流が不十分になる心筋虚血が疑われた。その後の再検査や経過観察で心筋虚血の可能性が高まったため、東大病院でより詳細な検査を受けられる。
上皇さまは平成24年2月、心臓の冠動脈バイパス手術をお受けに。令和4年7月には心臓の弁がうまく閉じない「三尖弁(さんせんべん)閉鎖不全」による右心不全と診断され、薬の服用や、水分の摂取制限など治療を続けられている。上皇ご夫妻は今月8日から、神奈川県葉山町の葉山御用邸で静養の予定だったが延期された。
【皇室ウイークリー】は毎週金曜日、「産経ニュース」に掲載している企画です。ニュース紙面ではあまり触れられない各宮家のご活動や、上皇ご夫妻のご様子を含め、宮内庁担当記者が皇室の1週間を振り返ります。紙面で掲載できなかった写真もご紹介しています。さらに「皇室ウイークリー」だけのために撮影した写真も、アップしています。
また皇室のご動静は、産経新聞社が取材協力している季刊誌『皇室 Our Imperial Family』でも、詳しくご紹介しています。