元アメリカ大統領ドナルド・トランプ氏が「ウクライナは感謝しろ」と発言したことが注目を集めている。トランプ氏の発言は、ウクライナへのアメリカの支援金が実質的に米国内で消費されていることを指摘したもので、特に約70%が米軍や国内産業に費やされているという調査結果を受けてのものだ。

この調査は、アメリカン・エンタープライズ研究所が2024年5月に発表したもので、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻以降、アメリカがウクライナに提供した150億ドル（約26兆円）の援助の内訳が明らかにされている。ウクライナ支援の多くがアメリカ国内での軍事支出や産業利益に変わっているという事実は、トランプ氏の発言を裏付ける形となった。

一方、ドイツのキール世界経済研究所によると、2024年12月までに欧州連合（EU）と各国がウクライナに提供した支援は約280億ドルであり、アメリカの支援額と比較するとその額は半分以下になるという。これにより、ウクライナ支援が単なるアメリカの軍事産業向けの公共事業であるとの見方が強まっている。

トランプ氏は、アメリカの兵器を更新しながら余剰物資をウクライナに送ることが重要であるとし、戦争利権に厳しい姿勢を示している。支持者の間では、現在の支援の在り方に疑問を呈する声や、政権に対する批判が高まっている。

このような状況下で、トランプ氏の発言がどのように受け取られるか、そしてウクライナ支援の行方が今後どのように変化するのか、引き続き注目が集まっている。