スズキ、トランプ関税で独り勝ち
日本の自動車メーカーの中で、スズキが独自の成長を遂げている。日産や他の大手メーカーが業績に苦しむ中、スズキは2025年3月期に過去最高の準利益3700億円を見込むなど、異彩を放っている。スズキの成功の要因は、軽自動車や小型車の人気、さらにインド市場での強力な存在感にある。
スズキは1980年代にインドに進出し、現在も約40%の市場シェアを維持しており、同国での売上高は全体の約4割に達している。しかし、この成長がインド市場に依存していることはリスクでもある。スズキは米中市場からはすでに撤退しており、トランプ政権下の関税の影響を受けることはなかったが、今後は中東やアフリカ市場の開拓を進め、さらなる成長を目指している。
日本市場でも新型SUV「フロンテス」や「ジムニー」の人気が高まっており、オーダーが殺到している。スズキの社長、鈴木俊宏氏は「捨てるべきは捨て、挑戦に臨む」と語っており、成功と失敗を恐れずに新たな挑戦を続けている。
さらに、スズキはバイクメーカーとしての顔も持ち、エンジン技術には定評がある。最近はリコール問題も他社に比べて少なく、品質管理の高さが際立っている。庶民の味方として、コストパフォーマンスに優れた車両を提供することで、多くの支持を受けている。
ただし、スズキの成功が今後も続くかは不透明である。トヨタや日産の不調が際立つ中、スズキも市場の変動に敏感に反応していく必要がある。流行の波に乗っている今、次の一手が求められている。