フジメディアホールディングスは、経営体制の刷新の一環として、取締役に占める女性の割合を3割以上に設定する方針を発表した。この動きは、同社が直面している信頼回復のための重要なステップとされている。特に、元タレントとのトラブルに起因する一連の問題への対策として注目を集めている。

この発表において、同社は女性取締役の性別を明記したことが賛否を呼んでいる。鹿児島県男女共同参画審議会の多ゆかり会は、この表記方法が女性を特筆し、イメージアップを狙うものであるとの批判を示した。一方で、同志社大学の左順子教授は、多様性の実現に向けた姿勢が感じられるとしつつも、性別表記には慎重な判断が必要だと述べている。

元鹿児島テレビ放送報道部長の米村修二氏は、多様性を意識した人選は重要だが、真の課題は社会正義を追求するジャーナリズムの精神を持った人材の確保であると強調した。フジホールディングスは、取締役の平均年齢引き下げなどを含む経営体制の刷新を進めている。

同社は、女性取締役の性別を表記した理由について、女性の重要性を強調するためだと説明しているが、外部からは「形だけの改革」との懸念も寄せられている。女性比率を増やすことが目的化してしまうと、実力ある人材の登用が疎かになりかねないという意見も多い。多様性の推進は重要だが、真に効果的な改革が求められる中で、単なる数字の上昇が解決策となるわけではないとの指摘が続いている。フジメディアの今後の対応が注目される。