名優・稲垣隆史さん(87)が肺炎により逝去したことが、所属事務所である劇団民芸の公式サイトを通じて発表されました。昭和12年5月11日、群馬県に生まれた稲垣さんは、1960年に初舞台を踏み、1964年には劇団民芸に入団。その後、演劇界に多大な影響を与える存在となりました。
稲垣さんは、名作『イルクーツク物語』のラプチェンコ役や、『セールスマンの死』のハッピー役、『アンネの日記』のドッセ役など、多岐にわたる役柄で活躍しました。特に、巨匠の作品ではピアニスト役を演じ、自ら劇中でピアノを演奏するという圧巻のパフォーマンスを披露し、観客を魅了しました。
また、映画界でも多くの作品に出演し、『63世グレタ』『邪魔者は殺せ』『ガラスの中の少女』など、数々の名作に名を刻みました。洋画の吹き替えでもその存在感は際立ち、特に『スター・ウォーズ』シリーズではパルパティーン最高議長の声を担当し、『007 スカイフォール』や『猿の惑星:創世紀』にも出演するなど、重厚な声と演技力で多くのファンを魅了しました。
稲垣隆史さんの逝去は、日本の演劇界および映画界にとって大きな損失であり、彼の残した偉大な足跡は永遠に色あせることはありません。心よりご冥福をお祈りいたします。