浜松女児4人死傷、姉妹とよく遊んだ女児「生きていてほしかった」と涙こぼす
浜松市中央区舘山寺町の小学生女児4人死傷事故から一夜明けた25日、事故現場には早朝から花が供えられ、手を合わせて冥福(めいふく)を祈る関係者たちが訪れた。春休み中に児童が死傷する痛ましい事故に悲しみが広がった。
事故現場で手を合わせた市内の30歳代女性は「動物園やフラワーパークなど観光地が多く普段から車の通りは多い。幼い子どもが亡くなりとてもショック」と話した。孫が亡くなった小学2年の女児(8)と同級生という女性(66)は「つらさのあまり何も言えない」とうつむいた。
事故は24日午後4時35分頃に発生。路側帯を自転車で一列に走っていた女児4人が後ろから来た軽トラックにはねられた。女児が死亡、小学4年の姉(10)も頭を打ち意識不明の重体。小学4年の2人(いずれも10歳)も軽傷を負った。
女児の知人らによると、姉妹はよく公園で追いかけっこをして遊んでいたといい、妹は学校で放課後に行われる算数教室にも参加していたという。娘が幼稚園から同学年という女性(40)は「会うといつも手を振ってくれる人懐っこい子だった」と振り返った。姉妹と同じ小学校に通う女児(12)は鬼ごっこなどで姉妹とよく遊んだといい、「自分のところまで遊びに来てくれてかわいかった。生きていてほしかった」と涙をこぼした。
静岡県警は軽トラックを運転していた同区、農業の男(78)を自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致傷)容疑で現行犯逮捕。県警は25日午前、男の自宅を過失運転致死容疑で捜索し、詳しい状況を調べている。
近隣住民によると、男は地元の自治会長を務めたこともあった。代々農家で、花を生産していた。近所の70歳代男性は「一生懸命農作業をしていた。変わったところはなかった」と話した。
事故を受け、静岡県教育委員会は25日、交通安全指導の徹底を求める通知を各市町教委に出した。春休みで自転車で外出する機会が増えていると指摘。保護者らへの注意喚起を行うことなどを求めた。