釧路湿原メガソーラー問題に新展開 白老では森林法の抜け穴? 北海道で深刻化するメガソーラー建設の課題
釧路湿原でのメガソーラー建設問題が新たな展開を迎え、地域住民の間で緊迫した状況が続いています。特別天然記念物への影響が懸念される中、釧路市は太陽光発電施設の設置を規制する条例案を市議会に提出しました。現在、釧路市内の太陽光発電施設は2012年の25箇所から約600箇所に急増しており、自然環境への脅威が深刻化しています。
新条例案は、特定保全種に指定された5種類の気象生物が生息する可能性のある地域を特別保全区域として設定し、事業者に保全対策を義務づけます。条例が可決されれば、来年以降の新たな太陽光発電施設に適用される見込みです。
一方、白老町では、住宅街近くの74ヘクタールの土地にメガソーラー建設が計画されており、住民からの反対の声が高まっています。住民説明会では535件の反対署名が集まり、インターネット上でも約4万件の署名が集まっています。住民たちは「自然を守りたい」と強く訴えています。
さらに、白老町では新たに別のメガソーラー計画が浮上しており、伐採後の土地利用について疑問の声も上がっています。森林法の抜け穴を利用し、伐採義務を逃れるために太陽光発電施設の開発が進んでいるのではないかとの指摘もあります。町長は住民の不安に真摯に向き合う姿勢を示していますが、事態は依然として緊迫しています。
釧路湿原の生態系を守るための戦いが続く中、地域住民の声がどのように反映されるのか、今後の動向に注目です。