広陵高校が第107回全国高校野球選手権大会への出場を辞退した。これは、同校の野球部における集団暴力と性的被害の告発が背景にある。広島県高等学校野球連盟の副会長である堀津校長は、兵庫県西宮市で開かれた会見で、SNS上での騒動や生徒の安全を重視した結果であると説明したが、その言葉は被害者への謝罪を欠いていた。
問題の発端は、今年1月に発生した暴力事件。上級生が禁止されているカップラーメンを食べた後輩に対し、集団で暴行を加えた。この件で広陵高校は3月に厳重注意を受けたが、8月6日には別の元野球部員の保護者が、在籍時に受けた集団暴行をSNS上で告発。被害者は、上級生からの性的な言動や、風呂での暴力行為を訴えた。
この告発は、広陵高校の運動部全体に広がる暴力問題の氷山の一角であり、SNSの影響でさらなる告発が続出している。8月10日の会見では、被害者が警察への刑事告発を検討中であることが明らかになり、学校の第三者委員会による調査も進行中だ。
この事態は高校野球界における信頼を揺るがし、教育機関としての責任が問われている。全国的な調査が求められる中、堀津校長は主催者への謝罪に終始し、被害者への配慮が感じられない。このままでは、真剣に野球に取り組む生徒たちが救われることはない。高校野球界は、暴力の根絶と信頼回復に向けた具体的な行動を求められている。