日本テレビの大型音楽特番『ザ・ミュージック』が、2025年7月5日に放送され、元WANDSのボーカル上杉昇が32年ぶりに舞台に登場したことが話題を呼んでいる。上杉が披露したのは、故女優中山美穂との伝説的なコラボ曲「世界中の誰よりきっと」であり、この企画は多くの視聴者の感情を揺さぶるものとなった。
番組は、上杉と中山の絆を象徴するこの名曲を通じて、視聴者に深い感動を与えることを目指した。しかし、視聴者の反応は一様ではなく、感動の声が上がる一方で、テレビ局の商業主義に対する批判の声も多く寄せられた。SNS上では、「感動的だったが、商法として利用されているのではないか」との意見や、「中山さんの死からまだ日が浅いのに、このタイミングでの企画は神経を疑う」といった厳しい指摘も見受けられた。
視聴者の中には、上杉の歌声そのものには肯定的な意見が多いものの、テレビ局の意図が透けて見える演出に対して疑問を抱く人々も少なくなかった。特に、故人を利用した感動演出に対する倫理的な問題提起がなされ、メディアのあり方について考えさせられる結果となった。
このように、上杉昇の復帰パフォーマンスは、感動を呼ぶ一方で、テレビの商業性やメディア倫理についての議論を引き起こすきっかけとなった。視聴率獲得を狙った計算された演出が、果たして許されるものなのか、今後の議論に注目が集まる。