地上波テレビ局の経営危機が深刻化している。視聴率の低下と広告収入の減少が相まって、地方民放の首脳たちが危機感を示している。総務省の調査によると、2023年の平日テレビ視聴時間は135.0分で、インターネット利用時間の194.2分に大きく劣っている。休日も同様で、テレビはネットに約25分遅れをとっている。特に30代以下の若者のテレビ離れが顕著で、週刊視聴時間調査では、1時間未満の視聴者が17%、5時間未満が11%を占めており、約3割の若者がほとんどテレビを見ていないという実態が浮き彫りになった。
かつては家庭の中心として君臨していたテレビだが、動画投稿サイトや配信サービスの台頭により、その地位は揺らいでいる。かつては視聴率15%を誇った人気番組も、今や1桁台にまで落ち込んでいる。民間放送事業者はこの危機的状況を打開するため、経営基盤の強化を迫られている。インターネット配信との競争に加え、ラジオや新規参入者の影響もあり、放送業界は大きな変革期を迎えている。
視聴者の声も厳しい。多くの人が「ニュースしか見ない」「CMが多すぎてストレス」といった不満を抱えている。特に若い世代は、テレビを見ること自体が「普通ではなくなった」と感じており、YouTubeやサブスクリプションサービスにシフトしている。テレビはもはや、視聴者の期待に応える存在ではなくなりつつある。
このままでは、テレビ局の存続が危ぶまれる事態だ。視聴者のニーズに応えられない限り、テレビの未来は暗い。業界全体が新たな戦略を模索する中、果たしてテレビは再びその地位を取り戻すことができるのか、今後の動向に注目が集まる。