日本政府は、国内旅行をする日本人が減少していることに懸念を示しています。27日に発表された観光施策に関する閣議決定によると、昨年訪日した外国人旅行者数は3687万人、消費額は8兆円を超え、いずれも過去最高を記録しました。しかし、日本人による国内旅行は、消費額が25兆円を超えたものの、旅行人数は5億4000万人と、2019年のコロナ禍前と比較して8.2%減少しています。

この現象に対し、政府は「旅行数の増加や滞在期間の長期化に向けた対策が必要」と指摘しています。観光業界の関係者は、物価の高騰や宿泊料金の上昇、外国人観光客の増加による混雑が、日本人旅行者の足を遠のけている要因であると分析しています。

特に、観光地においては外国人観光客の多さが、日本人にとっての居心地の悪さを引き起こしているとの声も上がっています。「観光地は外国人ばかりで、日本人が行く気をなくしている」という意見が多く見受けられ、特に京都などの人気観光地ではその傾向が顕著です。

また、経済的な要因も無視できません。実質賃金の低下や物価上昇により、多くの日本人が旅行を控える傾向にあると指摘されています。観光業界においては、観光税の導入や外国人観光客からの税収を観光振興に回すべきだとの意見も存在します。

政府は、国内旅行の促進に向けた新たな施策を模索する必要があります。観光業の復興を図るためには、旅行者が快適に過ごせる環境を整えることが急務です。