国内の米市場に異変が生じ、4月の米の輸入量が6838トンに達したことが明らかになった。この数字は、2024年度の予測輸入量約3000トンの2.3倍に相当し、異常事態を示している。高額な完税が課されても、海外から輸入された米が国産米より安価で提供される状況が生まれている。このため、スーパーマーケットチェーンや外食産業からは、輸入米の拡大を求める声が上がっている。
政府は、ミニマムアクセス制度に基づき年間77万トンの海外米を無関税で受け入れており、その中で最大10万トンを食用として市場に供給する計画だ。しかし、今回の輸入量の増加は、このMA枠とは別の一般輸入枠で発生しており、米市場の混乱を引き起こす要因となっている。
さらに、政府は備蓄米の放出も進めており、特に高止まりが続く国産米の価格に対する影響が懸念されている。業界全体がこの状況を注視しており、農林水産省は国産米のコストを引き下げるための徹底的な調査を求められている。
多くの外国料理店が日本米を使用している一方で、輸入米の需要が高まっている。輸入米が無関税で購入できるようになれば、日本国内の米の供給が大幅に緩和される可能性がある。専門家は、今後も民間の輸入が拡大し続けると予測しており、この流れは止められないと指摘している。
消費者にとって、国産米よりも安全で安価な輸入米が選ばれる状況が進行しており、国内の農業の未来に対する懸念が高まっている。